引き算がもたらす「本来の自分」──身体感覚を言葉に育む方法

ゼロに近づいていく。

人生は引き算をすることで、ノイズやバイアスが取れて、

本来の自己の姿に戻っていくのではないかと思う。

例えば私が何かの意味あることを届けたいと思うとき、

言葉になる手前の自分の身体感覚が宿っていれば、

そこから言葉は生まれてくる。

反対に、頭のなかに文章があっても、

体の感覚としてそれがしっくりこないのであれば、

言葉選びや全体構成に迷いが生まれる。

むしろ頭のなかには言葉が浮かんでいない方が良い。

体の中に宿っている「大切だと感じる感覚」があれば、

そこを丁寧に言葉へと育んで行けば良いのだ。


ゼロに近づくとは何か?

「ゼロに近づいていく」とは、日々の雑念や余計な思考、固定観念をそぎ落とすことで、本来の自分のあり方に立ち返るということです。心理学者や哲学者の間では、「ミニマリズム」や「引き算の美学」と呼ばれる概念が注目を集めています。情報過多な社会では、足し算よりも引き算に価値を見出すことが増えてきました。

  • ノイズやバイアスが取れる
    ┗ 自分にとって不必要な情報や世間の思い込みを捨てると、本質的な自分を感じやすくなる。

  • 本来の自己に戻れる
    ┗ 余計なものが減ると、もともと自分が持っていた感覚や価値観がはっきりとわかる。

参考:ミニマリズムや引き算の効果については、学術的にも「情報ダイエット」や「マインドフルネス」の研究で実証されています。

体の感覚から言葉が生まれるプロセス

「意味あること」を伝えたいとき

何か大切なメッセージを発信したいと考えるとき、まずは自分の身体感覚に意識を向けてみましょう。たとえば「胸がわくわくする感じ」や「腹の底から湧き上がる確信」といった感覚です。この微細な感覚こそが、やがて言葉として形を得る大きな源になります。

  • 身体感覚を感じ取るコツ

    1. 深呼吸して体をリラックスさせる

    2. 心拍や筋肉のこわばりに意識を向ける

    3. 「なんとなく落ち着く」「少し熱い感じがする」などの微かなサインをキャッチする

Q&Aコーナー:身体感覚に関するよくある疑問

Q: 「身体感覚がうまくつかめません。どうすればいいですか?」
A: まずは深呼吸や瞑想など、ゆっくり心身を整える習慣を始めてみましょう。ヨガやストレッチなど軽いエクササイズもおすすめです。最初からはっきり感じられなくても、続けるうちに微かな変化に気づけるようになります。

頭で考えた言葉がしっくりこないとき

文章を組み立てようとして頭の中で「ことば」だけを先行させると、身体感覚の裏付けがないまま文字が増えてしまい、なんとなくしっくりこない表現になることがあります。これは自分の本質的な想いと、言葉との間にズレが生じている状態です。

言葉と身体感覚のズレが生む迷い

  • 言葉はあるが、自分の気持ちが伴っていない

  • 書いてみても「何か違う」と感じる原因になりやすい

ワンポイント:文章がしっくりこないと感じたら、一度ペンを置いて体を動かしてみるのも手。軽い散歩やストレッチをしていると、頭で組み立てていた言葉がほどけて、新たな発想が出やすくなります。

むしろ「何も浮かばない」方がいい?

「頭の中にはまだ言葉が浮かんでいない」という状態は、一見すると「ネタ切れ」や「アイデア不足」に感じるかもしれません。しかし実は、この“何もない”状態こそが、自分の内側にある本質的な感覚を見つけるチャンスでもあります。

大切だと感じる感覚を育むステップ

  1. 静かな時間をとる
    ┗ スマホを置いて、一人になれる時間を少しでも確保する。

  2. 体に意識を向ける
    ┗ 「胸が温かい」「お腹のあたりが落ち着いている」など、微細な気配に気づく。

  3. その感覚を表す小さなフレーズを探る
    ┗ 「わくわく」「ほっとする」など、一言でもOK。

  4. フレーズを少しずつ広げて言語化する
    ┗ 箇条書きやメモの形でまとめ、徐々に文章へと伸ばしていく。

まとめ

  • ゼロに近づく:あえて余分な情報や思考を捨てることで、本来の自分や大切な想いを再発見しやすくなる

  • 身体感覚を頼りにする:言葉より先に「体がどう感じているか」をキャッチし、それを育むように言葉を紡ぐ

  • 頭だけで組み立てるとズレが生じる:頭の中だけで考えたアイデアは、自分の感情や感覚と合わないことも多い

  • “何も浮かばない”状態を歓迎する:真っ白な状態こそ、自分の本音にアクセスしやすいタイミング

参考リンク

Eugene Gendlinの「フォーカシング」(英語) マインドフルネスの研究成果(アメリカ国立補完統合衛生センター)

「言葉が先か、身体感覚が先か」にとらわれすぎず、まずは自分にとって本当に大切な感覚を丁寧に味わうところから始めてみましょう。すると、自然に言葉が生まれてくるはずです。あなたの本来の想いを、ぜひ日々の中で大切に育んでみてください。



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